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いつでもみんなの先頭切って走ってゆくキミの背中が好きだった。
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今宵、窓の外で星が割れた。
ロマンチックな夜ねと彼女は言った。
月光がオリーブ園を照らし出し、澄まし顔の猫はこの庭はわたしのものよと威張り散らして歩いている。
ロバと羊飼いの宴。
梟だけが見知らぬ顔。
ああ、でもお気をつけよ。
飢えた獣ほど牙を隠すもの。
たららん たららん たららん たん
ステップを踏んで、でも足音は立てないで。
踏切を跨ぐ夜明けの3歩手前。
太陽が夜を切り裂けば、星も月も猫も獣も、みんな家に帰るから。
地面を焼いて僕らを燃やして。
朝日は街を犯してゆく。
デートコースは家路を辿る。
さあ、目を閉じよう。次の終わりが来るまでは。
痛みとともに眠りにつく僕。
冷たいシングルベッドだけが泣いていた。
落ちた腕。
焦げつくマルボロ。
カーテンを閉めれば彼女の面影すら儚く霞む。
待ってくれ、まだ眠りたくないんだ時間をおくれよ。
喉が渇いて仕方ない。
あの光の欠片を飲み込めば、生き残れると信じた昨日。

そして気がつく。
そうか獣は僕だった。
 

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